Scratchが危険?SNSとしての問題点

scratch

Scratchは8歳から16歳の子供たちがプログラミングを楽しく学ぶためのプログラミング学習ソフトです。しかしScratchは他のユーザーと共有、意見交換ができるSNS的機能を搭載しています。このscratchのSNS的な側面を問題視する声もあります。

子どもがSNSを使用することの問題点

LINEやInstagramなど誰もが何かしらSNSを使っている時代となりました。しかし、同時にネットトラブルも増加しています。大人でも使い方を間違うと怖いSNSですが、子どもの場合は次のようなトラブルに遭うことがあります。

  • 個人情報漏洩のリスク
  • メンタルヘルスへの悪影響
  • ネット依存
  • 学校での人間関係

次に上から順にご説明します。

個人情報漏洩のリスク

SNSで個人情報が流出するは大きなリスクとなります。特に、子供たちはプライバシーについての理解が不十分な場合があり本人が意図せず個人情報が漏洩する可能性があります。

例えば、SNSプロフィールに氏名や生年月日、学校名などの情報を公開することで身元が特定されます。このような情報が悪意のある第三者によって不正利用される可能性があるのです。scratchは対象年齢が8歳から16歳ですが、大人も登録して利用することができます。

メンタルヘルスへの悪影響

SNSはコミュニケーションの向上や情報収集に便利ですが、その反面メンタルヘルスに悪影響を与える可能性があります。特に、SNS上での比較や競争が引き起こすストレスや不安は、子供たちの心理的な健康に影響を与える可能性があります。

また、SNS上での承認欲求やネガティブなコメントによって、自尊心や自己価値感が低下することもあるのです。これらの要因が積み重なると、子供たちはうつ病や不安障害などの精神的な問題に苦しむ可能性があります。

ネット依存

SNSの使用が過度になると、子供たちはネット依存症に陥るリスクがあります。SNSは常に利用可能であり、新しい情報や刺激が絶え間なく提供されるため、子供たちはSNSから離れることが難しくなることがあります。

度がすぎると日常生活に支障をきたし学業や社会生活に影響を与えるケースも多々あります。とくにscratchはプログラムを完成するといったゲーム要素からネット依存を助長する可能性も考えられます。

学校での人間関係

SNSは子供たちの学校での人間関係にも影響を与える可能性があります。例えば、SNS上でのトラブルやいじめが学校内でエスカレートすることがあります。

また、SNS上での友人関係が現実の友情やコミュニケーションに影響を与えることがあります。SNSを通じての交流が主体となると、子供たちは直接的なコミュニケーションの重要性を見失うことがあります。

SNSを使う場合、子どもたちがこのようなリスクに晒されることを理解しておかねばなりません。では、次にscratchのSNS機能についてご紹介します。

ScratchがSNSとしてできること

scratchでは次のようなアクションで他ユーザーと交流をとります。

  • 友達リクエスト
  • コメント

scratchはコメントを通じて他ユーザーとコミュニケーションを取ります。コメントできるのは「公開したプロジェクト」「プロフィール画面」「ディスカッションフォーラム」などです。

コメント機能を利用することで、自分が作ったプログラムを他のユーザーから褒めてもらえたり、意見交換ができたりするのでプログラミングへの学習意欲の向上や新たな発見を得ることができます。

次に友達リクエストですが、他のユーザーに友達リクエストを送ることで友達になることができます。友達は承認制であり多くはプロフィールページで友達リクエストを希望する旨を伝えて、相手がそれを受け入れて成立します。日本のscratchでは友達になったユーザーをスク友と呼びます。

scratchではスク友を超えたスク彼(scratch上の彼氏・彼女)もある。scratch的には通報対象だが、scratch上にはスク彼は多数存在しておりユーザーの中には肯定的な意見も多い。

他のSNSより厳しいscratchのルール

従来scratchは本来子ども向けに作られたプログラミング学習ソフトです。子どもをネットの危険性から守るため他のSNSと比べて次のような厳しいルールがあります。

  • コミュニティガイドラインの取り決め
  • コメントは他のユーザーも見れる
  • 書き込み禁止ワードがある

次で上から順にご説明します。

コミュニティガイドラインの取り決め

scratchでは安全に使うためにガイドラインの取り決めがされています。例えば姓、電話番号、住所、出身地、学校名、メール アドレス、SNSサイト、ビデオ チャットアプリ、チャット機能のあるWebサイトへのリンクを載せることは禁止です。他にも個人やグループのアイデンティティーを攻撃したり、その背景や興味について悪意のある行為をすることも許されません。

コメントは他のユーザーも見れる

scratchでは1対1でコミュニケーションは取れません。書き込んだコメントは誰かの目に晒されるリスクがあるということです。当事者間だけでなく他ユーザーがコミュニティガイドラインに違反していると判断すればscratch運営チームに通報できます。通報内容が正しいものであれば通報されたユーザーはアカウントブロックされます。

書き込み禁止ワードがある

scratchでは個人情報や誹謗中傷などの書き込みができません。例えば電話番号の共有を防ぐために10文字または11文字の半角数字を連続して含んだコメントを投稿すると、それらの数字がXになります。

他にも禁止ワードがあり、禁止ワードが含まれるコメントをしようとするとコメントができなくなったり、一定期間コメントが使えなくなったりします。他のSNSと比べて禁止ワードが厳しく「死ね」はもちろん、「ggrks」や「シスコン」などのワードもscratchは投稿できません。

書き込み禁止ワードはひらがなやカタカナにすれば投稿出来るなどの抜け道も存在する。悪意のあるユーザーは通報できるが、事前には止められれない。

【結論】はじめてのSNSにはScratchは最適ではある

以上のことから、scratchのSNS化についてご説明しました。scratchは子どもが使う学習ツールなので、ルールが厳しく取り決められています。scratchでのネットトラブルは他のSNSよりは低いでしょう。そのため初めてのSNSにはscratchは最適と言えます。

しかし個人情報漏洩などのリスクが無いわけではありません。先ほどお伝えした抜け道を使用すればscratchでも顔を知らない相手と対面することも可能です。scratchを使用しているのは子供だけではありません。きちんとネットの危険性をお子さんに伝えて利用してください。

不安な方はscratchをパソコンに落として使用する「オフライン版」をおすすめします。オフライン版はいくつか機能に制限が出てきますが、コメント機能が使えなくなるので他のユーザーと交流はできません。オフライン版とオンライン版の違いは下記の記事をご参照ください。

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