プログラミングが義務教育となったいま、子どものプログラミングスクールが注目されています。しかし、その一方でプログラミングスクールは意味がないという声もしばしば聞きます。そこで今回は子どものプログラミングスクールについてご説明します。
プログラミング教室が意味がないと言われる3つの理由
プログラミングスクールが意味がないという声がよく聞きます。実はこれって大人のプログラミングスクールでも言われていることです。理由は次の通りです。
- 受講料が高い
- 独学でも学べる
- 実践的なことが学べない
次で上から順にご説明します。
受講料が高い
プログラミングスクールは他の習い事に比べて授業料が高い傾向にあるため、「やめておけ」という意見も少なくありません。
- 水泳:7,000〜10,000円
- 音楽教室:8,000〜13,000円
- 学習塾:10,000〜35,000円
- 英語・英会話教室:6,000〜30,000円
- プログラミング:6,000~18,000円
上記は簡単な金額表です。回数や個別レッスンなどで値段が大きく変わります。プログラミングもロボットプログラミングの場合は値段が高くなるようですが、そこまで大きな違いはありませんでした。結局のところ、プログラミングは新しい習い事のジャンルのため支払う金額に見合ったスキルを得られるのかが不明瞭のため否定的な声が多いようです。(いま実務で使っている人は大学や社会、独学で勉強した叩き上げの人が多い)
支払う金額と見合った充実した教育内容やキャリアのサポートが提供されるかどうかを十分に考慮して選べば、子どもにとってプログラミングスクールは有益な習い事です。

大人のプログラミングスクールは子供より高いです。大人のプログラミングスクールに引っ張られて子供のスクールも高いと言われている印象があります。
独学でも学べる
確かに、プログラミングの学習は独学でも可能です。しかし、これは他の習い事にも言えることでもあります。例えば、英語学習もYouTubeなどで行う人も多いです。それでも、英会話スクールに通う人がいるのは、教室に通うことで専門性の高い指導を受けたり、定期的なフィードバックを得たりできるからです。プログラミングは大人でも挫折しやすい分野ですので、子どもで学べるように学習プログラムが整ったスクールは意味があると言えます。つまり教室に通うことは、学習への最短距離を歩む手段の1つなのです。

筆者は仕事でJavaScriptやPHPを使います。インターネットを使って独学で学びましたが、随分遠回りしたと感じています。こんな時に聞ける人がすぐいれば良いのにと何度も思いました。
実践的なことが学べない
プログラミングスクールは実践的なスキルが身につかないという意見もあります。業種によって使う技術(言語)が異なるため、特化したスキルが必要な場合が多いです。しかし、それはあくまで実務で使う話であってプログラミングには基礎的なスキルが欠かせません。子どものプログラミング教育は、まさにその基礎的な技術を養うために行われています。つまり、プログラミングスクールで学ぶことは、実践的なスキルだけでなく、将来に役立つ基礎的なスキルを身につける重要な一歩なのです。

今はchatGPTと相談しながらプログラムを書くことも多くなりましたが、相手は人間ではないので意図を完璧に汲み取っては貰えません。AIへ指示する人の基礎的な力は必要となります。
プログラミングが子どもに与える良い影響
プログラミングを学ぶことで、プログラミング以外にも得られるものがあります。それは次の通りです。
- 論理的思考
- 算数(数学)の学習
- 将来の選択の幅が広がる
次で上から順にご説明します。
論理的思考
プログラミングは、論理的思考を鍛えるのに非常に効果的です。プログラミングでは、問題解決やプログラムの作成において論理的思考が欠かせません。プログラムの仕組みを理解し、問題を分析し、適切な手順や条件分岐を考える必要があるためです。例えば、合計が100以上であれば、評価はAとして未満であればBとするといった条件分岐など、複雑なプログラムを書くほど論理的な思考が必要となります。これらのプログラミングの要素を通じて、子供たちは論理的思考力を向上させることができるのです。

プログラムを作りたい時は結果を考えて作ります。プログラムには曖昧な指示が通用しないので結果に辿り着くまでの過程を段階ごとに考えています。

会話も結論から段階ごとに話すように意識するようになり、教え方がわかりやすいと褒められました(照)
算数(数学)の学習
プログラミングは、算数の知識が必要不可欠です。例えば、消費税(10%)に関するプログラムが作りたいとします。合計を知りたい場合は「値段×1.1」で計算します。消費税だけを知りたい場合は「値段÷0.1」ですね。作るプログラムにもよりますが、数学的な問題をプログラム化して解決する際には、数学的な知識が勿論必要です。子どもは作品を作る過程で学ぶのでプログラムと同時に算数を学ぶことになります。

個人的には英語も勉強になりました。日本語だとプログラムがバクる可能性があるので、英語(アルファベット)の記述が推奨されています。
将来の選択肢の幅が広がる
プログラミングを子供の時から学ぶことは、将来の選択肢の幅を広げるうえで非常に有益です。プログラミングは現代社会において様々な分野や職業で求められるようになっています。例えば、エンジニアリング、ソフトウェア開発、データサイエンス、ウェブデザインなどの分野でプログラミングの知識やスキルが活かされます。

専門職でなくてもプログラミングは事務職でも活用できます。請求書を作るときにプログラミングのおかげでミスも少ないです。

プログラミングと密接な関係であるPCの知識も身につきました
プログラミング教室の選びかた
プログラミング教室の選び方のポイントをまとめました。参考にして頂ければ幸いです。
- 授業内容
- 授業料金
- 学習環境
次で上から順にご説明します。
授業内容
選ぶスクールがどのようなプログラミング言語や技術を教えているかを確認しましょう。できればお子さんが興味がある分野で選ぶと良いです。例えばロボットプログラミングを行いたいならC言語、WEB開発をしたいならJavaScriptなどです。分野が決まっていない場合は、汎用性があるJavascriptやPythonなどがおすすめです。子どもが低学年ならばプログラミングの基礎をゲーム感覚で学べるビジュアルプログラミング言語なども良いでしょう。
授業料金
プログラミング教室の料金が家庭の負担にならないかもポイントです。月額の授業料の他に入会料が必要です。入会料の相場は10,000円です。またテキスト代など教材費が別途必要となります。教材費の相場は約1,000円~約60,000円と幅広く、購入かレンタルかによっても異なるのが特徴です。ロボットキットなどの購入費は数万円になることもありますので注意してください。支払い方法や返金ポリシーも確認しておくと安心です。
学習環境
クラスのサイズや学習環境も重要な要素です。クラスの規模が小さいほど、講師とのコミュニケーションが取りやすく、個々の学習進度やニーズに合わせた指導が期待できます。しかしその分授業料が高くなる傾向にあります。また、希望する学習環境や設備が整っているかどうかも確認しましょう。快適な学習環境が学習効果に影響を与えることもあります。
教室は通学かオンラインか?
近年では通学だけでなくオンライン学習でのプログラミング教室も増えてきました。どちらもメリットデメリットがありますので、ご家庭の状況とお子様の性格でご選択ください。
通学型
通学型の学習は、実際にスクールへ通って他の生徒と一緒に学習を行うタイプです。講師に直接質問できたり、他の生徒とのコミュニケーションが取りやすい利点があります。友人と切磋琢磨しながらプログラミングの学習を深めることができます。しかし、月額費用が高額になったり、送迎の手間が増える可能性がある点に注意が必要です。
オンライン学習
オンライン学習は、自宅で動画教材を使用して学習を進めるタイプです。お子さんは自分のペースで学習を進めることができ、ゆっくりと理解を深めたり、興味のある部分を重点的に学習したりすることが可能です。また、すべて自宅で行うため、送迎の手間が省ける利点もあります。ただし、パソコンなどの学習環境を整える必要がある上、質問や疑問に対するサポートが保護者に求められることが多いです。
まとめ
以上、子どものプログラミング教室についてご説明しました。プログラミング教室が意味がないことはありません得られるものはあります。お子様と相談して是非教室の受講も検討してください!
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