ぶら下がり健康器とは、高さのある棒にぶら下がって全身をストレッチする健康器具のことです。ぶら下がることで筋肉や筋が伸びて結果として、姿勢改善、腰痛予防、肩こり緩和などの効果が期待できます。
ただ、ぶら下がり健康器は「設置にスペースが必要」あり「金額も高い」のため、他の健康器具と比べて導入までのハードルが高いです。ここを見ていただいている方の中には思い悩んでる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、今回家に懸垂マシンがある筆者が、ぶら下がり健康器の効果についてご紹介します。
ぶら下がり健康器で使われる箇所(筋肉・筋)は?

ぶら下がり健康器は棒にぶら下がるだけの簡単な運動です。日常生活ではなかなか伸ばせない「上半身の背面の筋肉」を伸ばすことができます。次で、実際に使用される筋肉を見てみましょう。
- 広背筋
- 僧帽筋
- 肩甲骨周辺の筋肉
- 背骨周辺の筋
次で上から順にご説明します。
広背筋
背中全体を覆う大きな筋肉で、肩甲骨の動きや腕の動作に関与しています。ぶら下がることで、この広背筋がしっかりと引き伸ばされ、肩や背中のこりの改善が期待できます。
僧帽筋
首の付け根から肩・背中に広がる筋肉で、肩こりの原因となりやすい部位です。ぶら下がることで、肩周辺が自然に開き、僧帽筋の緊張が緩みやすくなります。結果として血流が促進され、肩こりの緩和につながることがあります。
肩甲骨周辺の筋肉(菱形筋・前鋸筋など)
肩甲骨の内側にある菱形筋や、肩甲骨を前に引き出す前鋸筋も、ぶら下がる動作で伸ばされます。これにより、肩甲骨の可動域が広がり、姿勢改善にもつながります。
背骨周辺の筋(脊柱起立筋など)
ぶら下がることで背骨が自然に伸び、脊柱起立筋など姿勢保持に関与する深層の筋肉もやさしくストレッチされます。椎間板への負担も軽減され、腰痛予防にも役立ちます。
ぶら下がり健康器の効果
以上のことをまとめると、ぶら下がり健康器の効果は次の通りです。
- 肩こり・首こりの軽減:姿勢が伸びることで肩まわりの血流が改善
- 猫背改善:背筋が自然に伸び、正しい姿勢を意識しやすくなる
- 背骨・関節のストレッチ:重力により体が自然に引き伸ばされる
- ストレス解消・リフレッシュ:軽い運動で気分転換にも◎
- 懸垂練習にもつながる:日常的にぶら下がることで、自然と筋力アップも期待
次にぶら下がり健康器の使い方について詳しくご説明します。
ぶら下がり健康器の使い方
ぶら下がり健康器を使う際の基本的なフォームは、次の通りです。
- 手のひらを前に向けてバーを握る
- 足を浮かせてリラックス(初心者は足を軽く地面に着けてもOK)
- 肩や腕に力を入れすぎず、自然な力でぶら下がる
この状態を1回につき30秒〜1分程度、無理のない範囲で、1日1回から数回行うのが目安です。
ぶら下がり健康器による動作は、整形外科などで行われる「牽引療法」に似たています。牽引療法とは、背骨や関節周辺に引く力を加えてストレッチするような医療的アプローチです。
ぶら下がり健康器はそのような医療行為ではありませんが、重力を利用して上半身の筋肉や背骨まわりをやさしく伸ばすという点では共通しています。
ただし、牽引療法と比べて負荷が軽いので、1日の頻度を増やすことが望ましいです。たとえば「テレビを見ながら」「歯磨きの前に」といったように1日複数回ぶら下がることを意識しましょう。
ぶら下がり健康器のデメリット
このように、メリットが多いぶら下がり健康器ですが、以下のようなデメリットも存在します。
- 場所を取る:高さが180cm前後あるため、ある程度の設置スペースが必要です。ワンルームや狭い部屋では圧迫感を感じることもあります。
- やや高額:価格帯は6,000円以上が一般的で、安くはありません。しっかり使う前提での投資が必要です。
- 継続が前提:ぶら下がりが習慣化しないと、最終的に“物干し竿”化してしまう可能性も。実際に、購入しても使わなくなる人は少なくありません。
ぶら下がり健康器は他の筋トレ器具と比べてサイズが大きく、場所とコストの面でハードルを感じる人もいます。また、筋トレと同じで“続けること”が非常に重要のため、忙しい人や継続が苦手な人にとってはネックになるポイントでしょう。
「続けられるか不安…」という方は、まずは公園の鉄棒で軽くぶら下がる習慣から始めてみるのもおすすめですよ!

一見地味ですが、自分の体重を腕で支えないといけないので、結構きついです。そのため、まずは無理のない範囲でぶら下がり、少しずつ秒数を伸ばしていきましょう。
ぶら下がり健康器の選び方

ぶら下がり健康器を購入する前に気をつけたいポイントは次の通りです。
- グリップの有無
- 部屋の高さ
- トレーニングのオプション
- 耐荷重量
グリップの有無
握るバーの太さや素材も意外と重要です。あまりに太いと、手の小さい人や女性にとっては握りにくくなります。また、金属製でツルツルしているバーよりも、滑りにくいゴム(スポンジ)グリップ付きのバーの方が持ちやすく長くぶら下がることができます。
手が疲れにくく、長く続けるためにもグリップの使い心地をチェックしましょう。レビューで「滑りやすい」などの指摘がある場合は避けた方が無難です。

手汗が気になる人はグローブも合わせて購入するといいかもしれません
トレーニングのオプション
ぶら下がりに慣れてくると、「懸垂にも挑戦してみたい」と思う方も多いでしょう。最近では、懸垂だけでなく「ディップスバー(腕を使った腕立て伏せ)」「腹筋ベンチ」「背筋トレ用のクッション」など、さまざまな機能を備えた多機能モデルも登場しています。
シンプルなぶら下がり健康器の場合、バーの幅に制限があり、手を肩幅以上に開いて行うワイド懸垂が難しい場合もあります。その分コンパクトに設計されているため、省スペースでの設置には向いています。
ぶら下がり健康器でストレッチするだけであれば、そこまで本格的なものは必要ありませんが、将来的に懸垂を取り入れた本格的なトレーニングをするなら、シンプルなぶら下がり健康器では物足りない可能性があります。
将来的なトレーニングプランも考えてマシンを購入されることをおすすめします。
耐荷重量
チンニングスタンド(懸垂スタンド)を選ぶ際は、「自分の体重ギリギリの耐荷重量」ではなく、10〜20kgほど余裕のあるモデルを選ぶのが基本です。
特に、将来的に懸垂トレーニングを本格的に行いたいと考えている方には、体重の約2倍の耐荷重量があるマシンがおすすめです。懸垂中は体を持ち上げる際に反動がつきやすく、実際にかかる負荷は体重以上になることがあります。
耐荷重量が体重に対して不足しているとスタンドが不安定になったり破損するリスクが高まります。
部屋の高さ
懸垂も視野に入れている場合は、部屋の天井の高さにも注意をはらう必要があります。なぜなら天井が低いと、トレーニング中に頭が天井に当たる可能性があるためです。
チンニングスタンドの高さは30センチほど余裕があると安心です。もし天井の高さが確保できない場合は、チンニングスタンドを低く設置し、膝を曲げてトレーニングしてください。
通販で買える!おすすめのぶら下がり健康器
Amazonで高評価のぶら下がり健康器を調べました。ご参考にして頂けますと幸いです。
WASAI(ワサイ) 懸垂 懸垂マシン ぶら下がり健康器
非常にシンプルな設計のぶら下がり健康器です。無駄なパーツがないため、圧迫感が少なく、部屋のスペースを取りにくいのが魅力です。
シンプルながらも、ワイド懸垂や腕立て伏せなどのトレーニングにも対応しており、これから軽い筋トレを始めたいという方にもぴったり。
また、日本企業による製品という点も安心材料のひとつ。品質面やサポート体制を重視したい方にもおすすめできるモデルです。
STEADY 懸垂 懸垂マシン ぶら下がり健康器
STEADY マルチ 懸垂 懸垂マシン ぶら下がり健康器 【10段階調整 耐荷重150kg 特許庁実案取得 コンパクト】 …
さきほどのWASAIと比べてがっつりトレーニング用のぶら下がり健康器です。耐荷重150kgの頑強設計と、ぐらつきを防ぐ精密なつくりで、トレーニング中の揺れやきしみ音の心配もなく、集中して取り組めます。
高さは10段階調整できるので家族全員で使用OKです。もちろん、懸垂やディップスなどの本格トレーニングにも対応しており、トレーニングをしたい方にもおすすめです。
まとめ
以上、ぶら下がり健康器についてご紹介してきました。
ぶら下がるというシンプルな動作には、肩こりの緩和、姿勢の改善、腰痛の予防など、日常の不調をやわらげる効果が期待できます。運動が苦手な方や、毎日忙しい方でも取り入れやすいのが魅力ですね!
当記事があなたの参考になれば幸いです。
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