久しぶりにウォークマンをダイソーのワイヤレスイヤホンを接続したところ、まさかの「爆音」で鼓膜が張り裂ける思いをしました。しかも音量調整がまったくできません。
iPhoneやMacBookでは問題なく使えていたイヤホンだったので、故障かと思いましたがどうやらAVRCPのバージョン違いということが判明。今回はその原因と解決までの流れを記事にしました。
症状と問題のデバイス
爆音を引き起こしているデバイスとワイヤレスイヤホン、詳しい症状は次の通りです。
- DAISOの1500円ワイヤレスイヤホン(完全ワイヤレスイヤホン(TWS002))
- 接続機器:2015年発売のSONY製ウォークマン(NW-a25)
- 症状:音量が爆音固定で変えられない、選曲などその他操作性に問題なし
- 音量ボタンを押しても反応なし(音量アイコンすら表示されない)
- 有線スピーカーでは音量操作ができるため、ウォークマン本体の故障ではない
とにかく音量操作だけが効かない。以前購入した中華製ワイヤレスイヤホンとウォークマンの接続は問題なかったのにです。
爆音になる原因はAVRCPのバージョン違い?

Yahoo知恵袋に同じような症状の方を発見。そこで挙げられていたのが「AVRCPのバージョン違い」というキーワードでした。
AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)とは、Bluetoothのプロファイル(=機能セット)の一つで、音量調整や再生・一時停止などのリモコン操作を担っています。ちなみにBluetoothにはAVRCPの他に以下のような代表的なプロファイルがあります。
- A2DP:音楽再生用(高音質ステレオ)
- AVRCP:再生・停止・音量調整などのリモコン操作
- HFP / HSP:通話用プロファイル(マイク含む)
つまり、AVRCPが搭載されていることで、無線接続でも音量調整が可能になります。しかし、AVRCPのバージョンが異なると、音量調整の信号が正しく伝わらず、爆音が固定されてしまうといった今回の問題が発生するのです。
SONY公式の説明から見る原因
以下はSONY公式がAirPodsについて記載している内容です。
AirPodsを接続するには、Bluetoothプロファイル(AVRCP)のバージョン1.4以上が必要です。ウォークマンに搭載されているBluetoothプロファイル(AVRCP)は、バージョン1.3までになるため、AirPodsに対応できません。(2018年9月現在)AirPodsとBluetooth接続を行った場合は、常に最大音量となり音量の調整ができません。大音量でコンテンツが再生されるため、ご使用は控えてください。
AirPodsに対応していますか?(Bluetooth対応ウォークマン) | Sony JP
上記はAirPodsですが症状が一緒なので今回のDAISOのワイヤレスイヤホンも原因は同じでしょう。
この記載を見る限り、2015年発売のNW-A25もAVRCP1.3までの対応と思われます。
一方、DAISOのイヤホンTWS002はBluetooth 5.3対応。Bluetoothのバージョンが新しくなると、AVRCPも自動的に新しいバージョンが搭載されるため、おそらくダイソーのワイヤレスイヤホンは「1.4以降」と推測されます。

以前の中華製のワイヤレスイヤホンはギリギリ1.3に対応していたとですね。確かにワイヤレスイヤホンを購入したの6年くらい前な気がする
AVRCPのバージョンが1.3のワイヤレスイヤホンはあるのか?
AVRCPのバージョンが1.3のイヤホンがあれば、このウォークマンでも正常に音量調整ができるはず…と思い、ChatGPTに聞いてみました。

AVRCPのバージョンが1.3のワイヤレスイヤホンって今はあるの?

結論から言うと、AVRCP 1.3に対応したワイヤレスイヤホンは現在ほとんど販売されていません。AVRCP 1.3は2005年ごろに登場した古い規格で、現在は1.4〜1.6が主流です。

つまり、新しく買い替えても爆音になる…?
ウォークマンの爆音問題に解決策はある?
ウォークマンの機種によってはBluetoothの設定を変更することで、音量調整ができるようです。
対応機種での設定変更
以下のウォークマン機種では、Bluetoothの詳細設定から音量調整の問題を回避できる可能性があります。(AirPodsに対しての記事でした、その他ワイヤレスイヤホンは不明)
- NW-A50シリーズ
- NW-A40シリーズ
- NW-ZX300シリーズ
[設定] → [オーディオ機器接続設定] → [拡張方式を利用する]にチェックを入れると改善することがあります。※NW-A25ではこの設定はできません。
詳細は下記の記事をご覧ください。
ウォークマンで設定できない場合の対処法
ウォークマンのBluetooth設定が変更できない場合、次のような選択肢になります
- 有線イヤホンに切り替える
- 対応バージョンが古いBluetoothイヤホンを探す
- 別の音楽プレイヤーを使う
一番安価な対処法は、有線イヤホンに切り替えることです。
せっかく購入したワイヤレスイヤホンと、無線という気軽さは手放すことになりますが、ウォークマンはそのまま使えます。
次の選択肢は、バージョンが古いBluetoothイヤホンを探すことです。
AVRCPのバージョンが1.3のワイヤレスイヤホンであれば、ウォークマンでも音量調整ができる可能性があります。ただし、今の新しいイヤホンを手放し、あえて古いイヤホンを購入する必要があります。
さらに、AVRCPのバージョンが商品ページに明記されていないことが多いため、選定が非常に難しいのが現実です。
最後の選択肢は、別の音楽プレイヤーを使うことです。
iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、あるいはBluetooth対応の新しい音楽プレイヤーであれば、今のイヤホンをそのまま使うことができます。つまり、ウォークマンを手放すという選択になります。
【まとめ】どちらかを手放す必要がある(かもしれない)
今回のウォークマンの爆音は、ウォークマンとワイヤレスイヤホンのAVRCPバージョンの不一致が原因でした。
解決するには、ウォークマンを使い続けるか、ワイヤレスイヤホンを使い続けるか、どちらかを選ぶ必要がありそうですね。
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