スプレッドシートを使っているならGASで作業効率化が見込めます。今回はGASをスプレッドシートに導入した活用事例と、どのように始めれば良いかわからない方のために誰でも導入できて便利なスクリプトを一緒にご紹介します。
GASとは
Google Apps Script（GAS）は、Googleアプリの自動化や連携を行うためのプログラミング言語です。ExcelやWordに使われるマクロ（VBA）のGoogle版と考えてもらっても良いでしょう。
名前の通りGoogleアプリ専用の言語ですが、JavaScriptがベースとなっておりWEB開発で使われることも多いので、GASは学習しやすく汎用性が高いという特徴があります。
作成したプログラムは、GoogleスプレッドシートやGoogleドライブなど、Googleが提供する様々なアプリと連携させることができます。つまり、Googleアプリをよく利用する人ほどGASを使って作業効率が見込めるということです。
今回は、主にGoogleスプレッドシートを使って、スプレッドシートとの連携例をいくつか紹介します。
GAS×スプレッドシートでの活用事例
スプレッドシートとGASの連動でできることはたくさんあります。それこそ他のグーグルアプリと組み合わせるとアイデア次第で無限大とも言えるでしょう。今回は筆者が会社で使用している事例についてご紹介します。
ワンクリックで最終行に移動
ワンクリックで最終行に移動するスクリプトです。データが次々と追加されるスプレッドシートでは、最終行まで移動するのが手間でしたが、このスクリプトがあれば、膨大な行数でも最終行までワンクリックで移動できます。
この最終行まで移動するスクリプトはどんなスプレッドシートにでも活用ができます。便利なのに簡単ですので、今回はこのスクリプトの導入方法を当記事の最後にご紹介します。
Excelでセル内にある改行を分割
他社から送付されるエクセルデータのセル内の改行を縦方向に分割するスクリプトです。改行されているセルには料金が記述されていますが、改行が邪魔して数字と認識されず計算にできませんでした。セル内の文字を数字として計算するには改行を分割する必要があったのです。
セル内の改行を分割する方法については下記の記事に詳しく書いていますので、興味がある方は参考にして下さい。
メールを自動送信
チェックボックスを設置しチェックなければ、メールを各都道府県の担当者に自動送信するスクリプトです。トリガー設定で自動で稼働し、メールを送信後は自動でチェックボックスにチェックを行います。
スプレッドシートを共有していない担当者にメールを行うことができ、メールを作成する手間も省けます。また、担当者に連絡するスクリプトには次のようなものも作成しました。
- Googleフォームからスプレッドシートに入力された情報をメールで担当者に送信
- スプレッドシートの情報をボタンでLINEに情報を送信
- スプレッドシートの情報をボタンでChat workに情報を送信
グーグルフォームはスプレッドシートと自動で連携することができます。それを利用してお客様が入力された情報を担当者に自動でメールするように設定しました。またLINEやChat workなどAPIが提供されているアプリはGASとも連携が可能です。
ボタンで最終行に移動するGASを作成しよう！
先ほどご紹介した、ワンクリックで最終行に移動するGASをご紹介します。
⓪ 下準備：データの入力
スプレッドシートにダミーデータを入力します。データがなくても動きますが動作チェックのために準備しておいてください。今回は最終行に移動するGASなので１ページ埋まるくらいのデータがいいです。筆者は下記のサイトによくお世話になっています。
① Apps Scriptに移動
スプレッドシートを開き、拡張機能＞Apps Scriptの順番で移動。するとスクリプトを作成画面が表示されます。
② スクリプトの作成
上記のような画面が表示されますので、次のコードをコピペして貼り付けしてください。
function myFunction() {
var sp = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
var row = sp.getLastRow();
sp.getRange(row+1,1).activate();
}コードについて簡単に説明すると、変数spで現在使用しているシートを取得。変数rowでシートの最終行を取得。getRange(row+1,1)で、最終行の次の行のセルを選択させ画面遷移しています。
先ほどのプロジェクトを「保存」して「▷実行」。「▷実行」するとアクセス権限の承認を求められるので、次のステップに移ります。
② アクセス権限の承認
GASを始めて動かす時に「承認が必要です このプロジェクトがあなたのデータへのアクセス権限を必要としています。」と表示されます。許可しないとGASが動きませんので承認作業を進めます。権限を確認をクリックしてください。
使用するアカウントを選択します。
「このアプリはGoogleでは確認されていません」のページが表示されますが、「安全なページに戻る」ではなく左にある「詳細」をクリックします。
詳細をクリックすると、「リスクを理解し、デベロッパーを信頼できる場合のみ、続行してください。」の下に「無題のプロジェクト（安全ではないページ）に移動」がありますのでそこをクリック。
ページが遷移して、「無題のプロジェクトがGoogleアカウントへのアクセスをリクエストしています」と表示されます。下にある許可をクリックしてください。
「お使いのGoogleアカウントへのアクセスが無題のプロジェクトに許可されました」と表示されますので、アクティビティを確認をクリック。これでGASが使えるようになりました。
「リスクを理解し、デベロッパーを信頼できる場合のみ、続行してください」の警告文は、誤った動作によって情報が失われたり、情報が漏洩したりするなどのリスクがGASにはあるためです。これは他人が作ったスクリプトをあなたが動かす場合でも表示されます。そのため、インターネット上で共有されているコードを使用する際には、信頼できる作成者から提供され、セキュリティや権限を確認し、テストを行った上で使用することが望ましいです。
③ GASを動作させる
これでアクセス権限承認ができました。Apps Scriptの画面の「▷実行」をクリック。選択しているセルが最終行の一つ下に移動していますよね。
おめでとうございます、これであなたはGASを導入することができました！
とはいえ、別画面に実行するのは手間なので、スプレッドシート側にGASボタンを作成してみましょう。
④ ボタンの作成
GASボタンを作成します。メニューの挿入＞図形描画＞をクリック。クリックすると、図形作成画面が出てきます。図形＞長方形で好きな形にボタンを作成してください。テキストボックスでボタンの上に文字を表示させることができます。今回は「ボタン」の文字にしました。
保存して閉じるをクリックすると、スプレッドシート上に先ほど作成したボタンが表示されます。まだこの段階ではボタンとGASは連携していません。
ボタンをクリックすると、右上に３つの点がでてきますのでクリックしてスクリプト割り当てを選択。入力画面には「myFunction」を入れます。これでボタンにGASが連携しました！
まとめ
以上、スプレッドシートでGASを用いた活用事例についてご紹介しました。最後には最終行に移動する簡単なスクリプトもご説明しましたが、無事に導入することはできましたか？
GASを使うと多くのことが自動化できます。当サイトがあなたの参考になれば幸いです。
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